PCOSは高インシュリン血症が大きな原因の一つです。
高インシュリン血症(インシュリン抵抗性とも言います)とは食後に分泌されるインシュリンが効きにくくなっている状態、つまり血中のインシュリンが高値になっている状態です。インシュリンは糖尿病で有名ですが、糖尿病ではインシュリンは低値になりますが、糖尿病予備軍といわれている状態では逆に大量のインシュリンが出ているのです。これは食事や運動不足などの生活習慣の不節制や遺伝的な問題(近親者に糖尿病の人がいる)などが挙げられますが、近年持続するストレスによる高インシュリン血症も報告されています。
2007年に日本産婦人科学会で日本におけるPCOS診断基準が改定されその結果、高LH血症以外に高アンドロゲン血症・高インシュリン血症を重視されるようになったようです。
また欧米ではPCOSの治療にグリコラン(メトホルミン)が使用され、良好な結果が得られていると報告されています。この薬はインシュリン抵抗性が原因とされる糖尿病の治療薬です。インシュリンは卵巣に直接作用して、卵巣内のアンドロゲン濃度の上昇(高アンドロゲン血症)となります。
問題になるといわれていすのが、OHSS以外に卵胞数の割に成熟卵が少ないということが大きな問題であり、これは卵胞発育過程で発育の協調性が悪くなること、いったん閉鎖した卵胞が再度立ちあがっていることなどがあげられるようです。
このようなPCOSの患者様にグリコランを投与するとインシュリンが減少し、その結果アンドロゲンも減少しPCOSが改善されると報告されています。
つまり高インシュリン血症を改善させることが治療のひとつということがわかります。
PCOSに対して鍼灸治療ができること
@高インシュリン血症(インシュリン抵抗性)の改善
脳機能特にストレスなどに対処している脳機能を改善できること。このインシュリン抵抗性の詳細なメカニズムは分かっていませんが、各種報告から脳機能も大きく関与していることが分かっています。この脳のストレス状態を開放させ改善のお手伝いをします。
また全身の血流改善により、細胞レベルでのインシュリンが効きやすい状態をつくります。
もちろん患者様ご自身の食事や運動も改善してもらうことは当然です。
A卵巣の血流を改善させ、排卵を促すお手伝いをします。
卵巣の表面が硬く排卵できないこともこの状態の特徴です。
これに対して、血液循環の観点から子宮の血管を拡張させ、新鮮な血液を送り硬い表面の膜に対処して排卵を促します。
全日本鍼灸学会などの研究では以前よりこの高インシュリン血症(インシュリン抵抗性)に対する治療効果は報告されており、それを参考にこの疾患に対処していきます。
このようにPCOSのは排卵障害に対しては鍼灸治療が有効だと考えております。
排卵・卵の質・クロミッドの低反応などこの疾患を根本から改善することは非常に重要なことと考えております。