当院でご懐妊となった症例の一部を報告させていただきます。
〈お灸中心の治療で妊娠した症例〉
34才 Z様
子供のころのご病気でホルモン療法を行わないと自然周期での生理がこない。妊娠できないかも?ということをご主人が承知の上で結婚された。
妊娠できないと思っていたが、ご主人のためにできることはやってみようと考え、体外受精にチャレンジすることにした。
そのうえで体に良いと考えることはなんでもしてみようと思い来院される。
【治療方針】卵巣および子宮の血流改善と骨盤部から下肢の冷えの改善
鍼灸治療開始した1か月後の生理が赤くさらさらで10代のころのようだとびっくりされる。
3ヶ月後の体外受精にて質の良い卵子も採卵でき、そのまま妊娠出産された。
※コメント
『マジでしんじられないー』と言われた言葉が印象的であった。
鍼は怖いと言われたので、最小限の刺激にとどめ、お灸中心にちりょうさせていただいた。
冷えが顕著な場合はお灸中心でも効果的なのかもしれないと感じた症例であった。
〈子宮内膜症・子宮筋腫もあったが、妊娠した症例〉
36才 U様
不妊治療歴 2年
タイミング療法(半年)、その後体外受精を行うも(−)その後約1年漢方薬をにてタイミング
鍼灸治療にて体調を整えて再び体外受精にチャレンジしたいと考え来院。
子宮筋腫・子宮内膜症も指摘されている。
非常にストレスがあり、疲れているようであった。また上記の疾患のためか、生理痛や塊などが強い。下肢の筋肉の張りがなく弱い感じを受けた。
【治療方針】交感神経緊張状態の緩和およびストレス状態の緩和、卵巣子宮の血流改善。体力の向上。
鍼灸治療半年後に冷凍保存してあった卵子(鍼灸治療開始前のもの)を移植するも(−)
半年後新たに採卵し・移植したところ妊娠した。
※コメント
鍼灸治療開始して早期に夜間のトイレに行かなくなったとのことでした。それまでは毎晩2回はトイレに行っていた。
また生理痛が無くなったことや塊が少なくなったこと、生理の色が赤くなったとのことで、腎臓や子宮卵巣の血流が改善され、
質の良い卵子が採卵できたことにより、妊娠に至ったものと考えられる。
またご自身でも積極的に運動を開始したことも大きかったと考えます。
子宮内膜症などがあると妊娠しにくいとデータで出ているが、無事妊娠された。
〈軽度うつ症状や卵巣機能不全も認めたが妊娠した症例〉
27才 M様
不妊治療歴 3年 タイミング1年半、その後人工授精3回
知人が当院で妊娠したことを知り、鍼灸治療をおこないたいと考え来院。
家庭のゴタゴタでかなり落ち込んでいる。ストレス強い。軽度鬱状態。
問診表でも自律神経や神経症の項目に多数チェックがある。強いストレス状態。
卵巣機能不全・黄体機能不全と診断されており、月経周期は不安定
【治療方針】ストレス状態からの緩和(セロトニン系の不活)自律神経の改善や月経随伴症状の改善
鍼灸治療開始約半年後の体外受精でで妊娠された。
※コメント
ストレス状態が続いている人は脳内のセロトニン系にまで影響し、それがまたさまざまな自律神経症状などの不調をきたす。
卵巣血流は非常に敏感な欠陥により調節されており、ちょっとしたストレス状態で容易に血流が途絶えてしまうような血管といわれている。
鍼通電によりそれが改善したことが妊娠に大きく影響したものと考えられる。
鍼灸を初めて体調が良くなり、明るくなり、軽度鬱症状も改善したことが印象的であった。
〈子宮内膜が改善したため妊娠した症例〉
36才 M 様 事務職
不妊治療歴 2年
ステップアップにて体外受精4回おこなう。内2回着床するも心音聴取できず。
医師より子宮内膜が薄いため(平均6mm)着床しにくいことを指摘される。
【治療方針】子宮内膜への循環を改善させて内膜を厚くさせる。
鍼灸治療開始後3周期目に1ヶ移殖する。移殖時13mmに改善。
妊娠・心音聴取となり治療終了。
※コメント
この患者様は足・腰の冷えも顕著で、治療後足を含めた体全体がぽかぽかして、それが数日続き、気持ち良いとのことでした。
統計的に8mm以下では優位に妊娠率は下がることが知られています。
20代であれば卵子の勢いがあるので、内膜の厚さはさほど気にしなくてもいいようです。
しかし30代以降はしっかりと子宮内環境にも手当が必要なようです。
〈卵管の通りが良くなり自然妊娠に至った症例〉
26才 Y様 専業主婦
不妊治療歴 1年
4年前 第1子出産
2年前 子宮外妊娠
1年前 卵管造影に右の卵管の通りが悪いことを指摘される。
その後タイミング療法約1年妊娠せず来院。排卵は通りの悪い右からがほとんど。
【治療方針】@右の卵管の通りを良くする。A左からの排卵回数を増やす。
治療開始後2周期めで左から排卵される。妊娠に至らなかったが鍼灸の効果に!される。
3周期目排卵直前の検診で左右の卵胞ともに20mmを超えており今回はどちらかわからないとのこと。
結局右からの排卵だったようですが、無事妊娠。治療終了。
※コメント
鍼灸にて卵管の血流が改善された結果、通りにくい卵管に何らかの影響を与えたものと推測されます。
またほとんど排卵されなかった左の卵巣が動き出したのが印象的でした。
さまざまな理由により通りが悪い側や癒着、切除などの一側ばかり排卵するので困っているという患者様も結構多いようです。
排卵決定に関してどのようにして左右の卵巣が選択されるかは未だ不明ですが、鍼灸治療により眠っていた卵巣が動きだすことも多いようです。
癒着や切除側と反対側からの排卵回数が増えるだけで、妊娠のチャンスは増えるものと考えます。
〈交感神経緊張状態の緩和により妊娠に至った症例〉
36才 B様 看護師
不妊治療歴1年
この間タイミングと人工授精6回も妊娠せず。体外受精へステップアップする前に体調を整えたいと考え来院。
頭痛・肩こり・不眠・胃腸障害。足の冷えなど存在
【治療方針】交感神経緊張状態の緩和と胃腸機能の改善
治療期間約3ヶ月後最初の体外受精にて妊娠。治療終了。
※コメント
体外受精の成功率は30パーセント前後ともいわれており、たまたま初回で妊娠されたのかもしれません。
しかし治療を開始して肩こりや頭痛(毎月のように首や肩に注射してもらい対処していた)が消失・胃腸の具合・足の冷えが改善し、
いらいらすることが少なくなったそうです。
なによりご主人とケンカしなくなったそうです。
治療前は明らかにストレスによる交感神経緊張状態でした。
この状態が続くと
@卵巣血流が減少(栄養不足に陥るほどの減少となることが研究で明らかになっています)
Aエストロゲン分泌も減少することが明らかになっています。
(子宮も減少しますが卵巣ほど顕著ではないようです。)
鍼灸治療により愁訴が改善したこと、これは交感神経緊張状態が緩和された結果で3あり、体外受精に向けての体づくりのお手伝いができたかと考えております。
〈漢方薬との併用にて妊娠に至った症例〉
36才 M様 事務職
不妊治療歴4年 ICSIの段階
生理不順 月経量も少なく色も黒い・冷え・胃腸障害・肩こり・頭痛
約1年の鍼灸治療にて愁訴も改善してきた。足先の冷えだけ頑固に残り、黄体期も12日と若干短くギザギザな周期もあった。
そこで漢方薬との併用を試みた。
結果6ヶ月後ICSIにて妊娠、鍼灸治療終了。
※コメント
鍼灸治療にて卵子のグレードや子宮内膜の厚さなど改善したものの妊娠に至らなかったのですが、漢方薬との併用にて最終的には無事妊娠となりました。
一般的に不妊治療をおこなっている患者様はサプリメントや漢方薬などさまざまなものと併用しているのが現状です。
当院では内科医(漢方専門医)と連携しており、希望される患者さまには積極的に紹介し、漢方専門医が処方する漢方薬でお互いの相乗効果を高め、妊娠に導くことをおこなっていおります。
これが功を奏した症例でした。
〈根拠に基づいた鍼灸治療にて妊娠となった症例〉
37才 G様 専業主婦
不妊治療歴3年
ICSIで5回内2回妊娠判定陽性も妊娠に至らず。しばらく病院での不妊治療はお休みし、鍼灸でタイミングを取りながら半年後に再度病院での不妊治療を開始するまで体調を整えたいと来院。
事情により6カ月と期間を区切っての治療なので初診時より漢方医に紹介し漢方薬との併用をおこなった。
胃腸障害や皮膚の発疹・肩こりや頭痛などの愁訴も存在。
鍼灸治療開始して愁訴や生理痛などが改善し、6ヶ月後のICSIにて無事妊娠。心音も聴取できたため治療終了となる。
※コメント
さまざまな愁訴が治療開始して改善し、体調がよくなっていくことがはっきりとわかった症例でした。
採卵時は今まで通り1ケしか取れなかったようですが、うまくいきました。
根拠に基づいた治療、選穴を一貫しておこなって妊娠まで至ったことは大きな自信をいただけた患者様でした。
この方への治療が後の当院での治療方法に大きく影響、参考になったのでした。