症例13  ヘルニアで3週間入院

Aさん(30歳代、男性)、5年前より年に1回ほどぎっくり腰がおきるが数日で治癒する。H.13年、MRIでヘルニアがあるとの診断をうける。今回、7月末、朝起床して腰痛あり。9月初旬、急に腰痛、左下肢痛が激しくなり、ほとんど動くことが困難な状態となる。

入院(19日間)。入院後3日間、車椅子。  その後1週間、歩行器。入院後約2週間、仰向けに寝ることができない。明け方、下腿が痛くて目が覚める。その後いずれも改善。退院時、ほとんど痛みがなくなる。しばらく歩くと下腿がしびれてくるが、休むとなおる。  

[ 治療 ]

ヘルニアは痛みの原因になりえないことを説明する。(火災報知器の電線を圧迫しても報知器は鳴りません。煙が出るとなるのです。)  火災報知器:侵害受容器   煙:発痛物質

健常者にも高率でヘルニアが存在することを説明する。 読書療法、 トリガーポイントブロック,低出力レーザー照射,消炎鎮痛剤, 抗不安薬。ヘルニア経験者にアドバイスをしていただきました。


以下は、ご本人が退院時に、このホームページのために病歴と闘病日記を書いてくださいましたものです。

職業:産業用ロボット技術開発スタッフ。主に工場内で机に座ってプログラムを作成したりデータ分析をしているが新機種導入時など客先に出張し1〜3週間ぐらい立ちっぱなしの作業がある。特に重い物を持ったりの作業はない。客先出張時、自分で車を運転して行く。日に2000K走る。

病歴

97年ごろ、初めて腰痛で立てなくなりMRI、レントゲンからヘルニアと診断される。ブロック注射、痛み止め点滴など通院4〜5日で完治。その後年1回、同じような症状あり。

2000年、石川県に引っ越してきてすぐ腰痛で立てなくなる。A病院にてMRI、レントゲンにてヘルニア2箇所と診断される。ブロック注射と飲み薬で通院4〜5日で完治。

01年にも同じ症状あり。02年7月21日、朝起き上がろうと思ったら腰に激痛。7.22. A病院でブロック注射。4日間自宅休養。

7.29. 初めて左足指先までしびれ発生。A病院でブロック注射。症状あまり変わらないが腰の激痛がないので仕事続ける。盆休み中も症状良くならず歩ける距離が少しずつ短く感じる。

8.21. A病院でブロック注射。26日から出張のため行ったら、いつものブロックも良くなっているような気がしなかった。初めての左足のしびれに不安が大きかった。

8.26. 千葉、山梨、七尾と仕事が重なり、9.6.自宅に12日ぶりに帰宅。この時点で腰の鈍痛と左足ふとももが微妙につるような感じはあった。

9.7. 朝起きて洗面所で顔を洗おうと前屈みしたときに腰から左足先まで激痛が走った。太ももからお尻はつるし、ふくらはぎから指先までは針で刺されたような感じで立てなくなり、1時間ぐらい横になっていても痛みが変わらず、加茂整形外科へ。即、入院となる。生まれて初めての入院で不安と緊張もあったのか注射してレーザーをかけても一瞬、痛みが引くがおとなしく横になっていてもすぐに痛みだす。

9.9. 先生に本を借りてよんでみる。(「腰痛は怒りである」・「ヒーリングバックペイン」)3日間は歩けず車椅子で看護婦さんにトイレに連れて行ってもらっていた。

9.10.〜9.12. 太ももからお尻にかけてのつるような痛みは引いて歩行器を使いながら歩けるようになる。腰の1部の痛みとふくらはぎから下の刺される感じは残る。朝回診時と夕方に注射してもらう。 

9.13.〜9.16.  朝回診時の注射のみと夕方、物療でマッサージを始める。歩行器を使いながらもだいぶ左足が地面につけるようになった。Kさんからヘルニアの経験談を1時間ぐらい話ししてもらい励ましてもらう。

9.17.〜9.19.  歩行器を使わず廊下の手すりにつかまりながら歩けるようになる。日中は比較的スムーズに歩けるようになるが明け方(4時〜5時)左足が痛くめがさめる。ローソンまで歩いてみたが帰り道はしびれが強く歩くのが大変だった。

9.20.〜9.22.  自宅に外泊。子供の運動会もあり、ビデオ撮影できたが10分ぐらい立っていると左足のしびれが強くなりレジャーシートに横になる。

9.23.  明け方の足の痛みで目が覚めることもなくなり、かなりスムーズに歩行できるようになってきた。夜寝る姿勢も横向きで膝を曲げ丸まった形でないと眠れなかったが普通に仰向けで足をのばしてもしびれることはなくなった。ローソンまで往復するとふくらはぎから下が多少しびれが出るが横になるとすぐ復活する状態となる。

9.26.  仕事の都合で完治ではないが退院。先生及び看護婦さんにとても感謝しております。ありがとうございました。

加茂整形外科医院