レーザー椎間板ヘルニア減圧術(PLDD)の成績


レーザー椎間板ヘルニア減圧術(PLDD)の成績は,Choy,小坂,西島,市村,らの報告では,術後1年後までの有効率は75〜82%である.長期成績に関しては,PLDD実施後3年以上経過した症例の有効率は2/3,無効率は1/3であると報告されている。

椎間板ヘルニアの手術成績


椎間板ヘルニアの治療成績を保存療法と手術療法で比較したWeberの報告によれば,1年目は手術療法のほうがよいが,4年後あるいは10年後ではその両者には有意差がなく,いずれの治療法もそれぞれ50〜60%の良好な成績を得ていた.したがって長期に経過観察すればするほど,自然治癒の傾向が強くなることが予想される.

経皮的椎間板摘出術           Pain Clinic 2002.10  Vol.23 No.10  より

腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的髄核摘出術の治療経験

田中康・田中稔正(田中整形外科病院・高知)


我々は93年より腰椎椎間板ヘルニアに対しSurgical Dynamic社のnucleotome(FlexI,,U)を用い治療しているので、その成績を報告する。症例は男性12名、女性4名の合計16名で、年齢は14〜33歳(平均19.9歳)で十分な保存療法(硬膜外ブロック平均4.8回、神経根ブロック平均3.3回)を行った後、観血的治療の前段階として行った。施行した椎間板レベルはL3/4 1例、L4/5 12例、L5/6 1例、L5/S 12例であった。椎間板造影によるタイプはprotrusion l例、subligamentous extrusion 12例、transligamentous extrusion 2例であった。治療成績は術後、何の治療も必要としなかった良好例は2例、術後何らかの追加治療(硬膜外ブロック平均3,4回、神経根ブロック平均4.5回)で軽快した有効例は8例、観血的治療(Love法)を必要とした不変例は6例であり、当方法の有効率は62.5%であった。十分な保存療法を行ない症例を限定すれば期間はかかるものの、硬膜外腔を触わらない当方法は腰椎椎間板ヘルニア治療の1つの選択肢となり得ると考えられる。詳細につき検討を加え報告する。

第16回JCOA学会 抄録集より

頚椎椎間板ヘルニアに対するレーザー椎間板減圧術の治療成績

樋口智彦ら(杏林大整形) 日整会誌77(3)2003


【結果】術直後のSpurling徴候は14例(70%)で改善が認められた。術後1週で優:0例、良:13例、可:4例、不可:3例、術後1ヶ月で優:1例、良:3例、可:3例、不可:3例、最終調査時で優:3例、良:8例、可:3例、不可:4例であった。優良の比率は術後1週で65%、1ヶ月で70%、最終調査時61%で、術後1ヶ月が最も良好であった。合併症として、1例で化膿性椎間板炎を発症し不全麻痺が残存した。また、術前の症状が軽減したにもかかわらず、対側の針刺入部痛が出現した例が2例あり、うち1例は前方固定術を施行した。
【考察と結論】PLDDの報告は、腰椎に多いが、頚椎は少ない。頚椎椎間板ヘルニアよる頚部神経根症に対するPLDDは、術直後よりSpurling徴候や症状の軽快例が75%の例にみられ、有効な治療法の1つである。しかし化膿性椎間板炎や針刺入に伴う新たな症状が出現した例があり、正しい操作手技が重要と思われた。

腰椎ヘルニア治療、レーザー治療推奨せず 厚労省研究班


ひどい腰痛の多くを占める腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニアの治療指針を、厚生労働省の研究班がまとめた。近年、急速に普及したレーザー治療や骨格構造のゆがみを手で正すカイロプラクティックについては、論文など十分な科学的根拠が蓄積されていないなどとして、推奨しなかった。  2004.4.25

加茂整形外科医院