症例14  ヘルニアで痛み止めが不安

Aさん(35歳、女性)、高校生のころ、ヘルニアの診断をうける。慢性的腰痛あり。H.14.2月末に左下肢痛。3月にMRIを施行、ヘルニアの診断。9月になって、症状悪化。消炎鎮痛剤を飲まないと痛みが強いので、薬を飲んで何とか仕事を続けているが不安。9月下旬、当院初診。左図のような圧痛点あり。明け方、下腿の痛みでめがさめる。

健常人でも高率でヘルニアがあること、ヘルニアが痛みの原因だとすると矛盾があり、痛みはストレスと関係があることを説明する。思い当たることがあり納得の様子。

トリガーポイント注射、低出力レーザー照射する。すぐに楽になったと言う。

10月初旬、3回目の来院で、痛みはほぼ7割減。薬は飲まなくてもよいとのこと。10月中旬、強い痛みが襲うことはなくなる。


コメント

このような下肢痛をみると、たいがい「坐骨神経痛」という診断をくだされるわけです。ましてやMRIでヘルニアがみつかると、それが原因で、神経根を刺激しているためということになってしまいます。しかしこれには、いろいろ矛盾があります。

なによりも、このような簡単な治療で改善するということは、「神経痛」というより「筋痛」ということなんでしょう。緊張型頭痛という病名がありますが、それにならって、「緊張型下肢痛」とでもいいましょうか。

加茂整形外科医院