症例19  寝違い

Oさん(85歳、女性)は以前、膝痛で通院歴がありますが今は痛くありません。3日前の朝、急に頚が痛くなり動かせなくなりました。いわゆる「寝違い」というやつです。右の後、側頚部に3箇所の圧痛点がありました。圧痛点ブロックをして約10分後にまだ痛みの残っているところ2箇所に追加のブロックをしました。それで痛みはなくなり動かせるようになりました。Oさん「来てよかった。」いわゆる寝違えですから、放置しても数日で治るかもしれませんが、簡単な治療でよくなるものです。

「何か、不安なこと、心配なこと、腹の立つことはないかね?」「何もない。」「それじゃー、最近何か変わったことはなかったかね?」「・・・・1週間前、親戚であいついで2人亡くなったやが、私は留守番で葬式にはいけんかったや」「そんなことが原因かもしれんよ。」


コメント

「寝違い」は寝相が悪かったせいとか枕のせいにされるものですが、寝ているときの潜在意識、無意識の世界での緊張、不安、怒りが筋肉に強い緊張を引き起こすのではないかと思っています。顎関節の周囲におこれば「顎関節症」、肩関節の周囲におこれば「肩関節周囲炎」、腰のあたりにおこれば「ぎっくり腰」、下肢におこれば「坐骨神経痛」などといっていますが本態はみな同じように思います。いずれも早期に治療すればすぐに治ってしまうことが多いですが、それに不安を感じたり、不必要なレッテル貼りがされると以外と長引いてしまうこともあります。

加茂整形外科医院