症例26    頚部硬膜外をうけたが

Nさんは50歳代で自営業です。2ヶ月前、特に原因と思われることなく、左肘のあたりに痛みが生じました。次第に痛みは頚、肩、前腕とひろがり、拇指、示指、中指がしびれるようになりました。夜間は痛みのため十分な睡眠ができません。某病院を受診し、MRIの検査の結果、頚椎で神経が圧迫?という診断で入院することになりました。頚のうしろの正中に太い針の注射をする治療を4〜5回受けたそうです。(おそらく頚の硬膜外注射でしょう)それはたいへん怖い思いをしたそうです。しかし効果はありませんでした。

改善することなく退院し、電気治療などを受けていましたが、知人のすすめで当院を受診しました。

「普段は、肩こりや腰痛はどうですか?」「はい、よく肩がこります。慢性の腰痛をもっています。」「よく眠れますか、食欲はどうですか?」「痛みのためよく眠れません。食欲はありません。」

頚から左前腕にかけて強い圧痛点が多数ありました。その他、左の腰のところにも強い圧痛点がありました。「この腰の痛みと腕の痛みは同じことなのですよ。」ストレスと痛みのことを説明し、圧痛点をブロックするとすぐに症状が改善しました。セディールという抗不安薬を処方しました。

次の日

「大変楽になりました。」(^_^.)「しびれはどうですか?」

「しびれもすこし軽くなりました。こんなことなら、はやく先生に診てもらうのでした。」・・・・・・(私、"^_^")

「このぶんなら、しばらくで治ってしまうでしょう。」「ストレスは酒やマージャンで解消しているんですがね。」

「その時は忘れていても、終わればまた・・・生きている限りなかなか難しい問題ですね。私も同じですよ、ただ私の場合は痛みとしてはでませんがね。」


コメント

ほとんどの筋骨格系の痛みやしびれは、myalgia(筋痛症)です。それはまさに交感神経と関係しています。神経根部は痛み刺激の通り道かもしれませんが、痛みに責任のある部分ではありません。だから硬膜外注射の効果がなかったのでしょう。

加茂整形外科医院