症例64 半月板の手術をしたが膝の痛みがとれない
Aさん(50歳、女性)は今年の1月より特に原因と思われることなく右膝痛が出現しました。過去にこのようなことはなかったそうです。階段の昇降がとても辛くまた正座もできなくなりました。
2月にA病院でMRIを撮り半月板の異常があるということで手術を受けました。その後、リハビリなど通院治療をしましたが一向に改善しませんでした。
6月、当院受診。膝〜下腿にかけて図のような圧痛点がありました。1ポイントに1〜2tの局所麻酔を注射してレーザー照射。
「どうですか?階段を昇降してみてください。正座をしてみてください。」
「楽になりました。左の膝より軽い感じがします。正座もまだ少し痛いところがありますができます。」
「痛みのない膝でもMRIで検査するとたくさんの人に異常が見つかります。今のような症状は膝こりといったほうがいいかもしれませんね。だからこのような治療ですぐによくなるのです。消炎鎮痛剤を1W分だいますね。1W後に診察しましょう。」
1W後
「階段の昇降はもう大丈夫になりました。正座もできるようになりましたがもうちょっと痛いところがあります。」
「何%ぐらいよくなった感じですか?」「80%ぐらいです。」「それはよかったですね。もうしばらくで治ってしまいますよ。」
「先生、肩こりも続いているのですが・・・」
「夜眠れますか?ご飯は?頭痛や口の渇きは?便秘や下痢は?」
「口が渇きます。夜2回ほどめがあきます。朝5時頃目がさめます。便秘です。」
「肩にも注射してみます。この痛みも膝の周りの痛みも同じことなのです。口の渇き、便秘。熟眠できないなどもみんなストレス関連のことです。思っていることをしゃべるとかなりストレスは解消しますよ。どうしてもよくならないようならまたご相談ください。」
「はい。」
コメント
膝痛は膝の周囲の圧痛点に焦点を合わせて治療してやるとほとんどすぐによくなってしまいます。これは腰痛や50肩も同じことです。やはりストレスが大きく関係していると思います。
整形外科医は軟骨や半月板に注目しますが私はそうではないと信じています。痛みは構造では説明できないからです。