痛みのセルフコントロール


筋骨格系の痛みは、ほとんどの場合、内因性発痛物質であるブラジキニンなどが放出され痛覚受容器を刺激しているからおきるです。痛覚受容器が関係しない痛み(すなわち発痛物質が関与しない痛み)には神経因性疼痛や疼痛性障害の一部があります。外傷により組織の損傷がおきるとKイオンが放出されそれが発痛物質となります。損傷はいずれ治癒しますが、引き続いて内因性の発痛物質ブラジキニンが放出され、いつまでも痛みが続くこともあります。

骨がずれている、軟骨が磨り減っている、椎間板がとび出ている、だからといって発痛物質が放出されるわけではありません。体の組織がダメージをうけると発痛物質が放出されます。外力によるダメージと酸欠によるダメージがあります。酸欠は交感神経の緊張により起こります。交感神経の緊張は脳の指令や脊髄反射によります。痛みは脳の指令により、身体に表出し、それを脳の知覚領野が受信し、受信した情報を前頭葉が認識しています。つまり痛みは、脳がつくり、脳が認識している、スクリーンは身体です。次にあげるような「おまじない」は、十分に科学的根拠のあることなのです。

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Affirmation(アファメイション:肯定的な条件付けのすりこみ)・ストレスリスト・痛みを叱り飛ばす・活動を再開する

詳しくは How to TMS

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痛みを治す呪文      東京カウンセリングセンター所長   菅野 泰蔵

痛みというのは、けっこう精神的な方向からも検討されるものである。つまりは心理的なもので癒される部分も大きい。その典型が、子供が転んだりして「痛いよ〜!」と泣き叫ぶ場面である。そこへ母親が駆けつけて来て、「どうしたの?」と声をかけ、「どれ、どこが痛いの?」と続ける。そして次に母親は、「痛いの痛いのとんでけー!」と摩訶不思議な言葉を発し、痛みを摘んでは虚空に飛ばしていく。奇行である。しかし、これがまた実によく効くもので、「ほらあ、もう痛くないでしょ。」というころには、アナーキーな阿鼻叫換も見事に鎮火しているのである。これを子供じみたものと馬鹿にしてはいけない。非科学的とはいえ、私たちが痛みから癒される原理はほぼこれなのである。

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「痛いの痛いのとんでけ」も一種の催眠 ・・催眠法  心からだの「治る力」を引き出す本・・マーリン・E・ハンタ 

成功する鎮痛方法は、痛みの要素となる筋肉の緊張をほぐすことから始まる。たとえば、拳をギュッと握りしめてみると非常にわかりやすい。握りしめていると楽でなく、緩めたとたん再び楽になることが即座に理解できるだろう。この要素が大部分を占める痛みもあれば、ほんの一部でしかない痛みもある。だが、どんな痛みも何らかの筋肉の緊張がある。よって鎮痛のために催眠を行なう時は、常にここがスタート地点となる。痛みに対処するための第二のテクニックは、分離だ。つまり、自分自身をある方法でその痛みから切り離すのである。重傷を負った人は、自然これを行なう。応急患者室で、こんな声を時どき耳にする。「あの時の痛みは覚えていません。まるで私が自分の外側にいて、起こっていることを眺めていたようでした。」これが純粋な意味での分離だ。

加茂整形外科医院