症例74  手術が必要といわれた椎間板ヘルニア

Aさん(60歳代、男性)

H15年5月頃より、腰痛、右下腿痛出現する。次第に足首から腰の方に向かってしびれが上向する。行きつけの整骨院で手当を受けて調子を保っていた。

H16年10月22日、急に右臀部痛出現し立てなくなる。右足首までしびれあり。整骨院で治療し、ある程度改善する。

H16年11月中旬、某公立病院(県外)でMRIで4/5のヘルニアを指摘され90%以上の確率で手術しなければ治らないといわれる。5日間の検査入院する。

そのことを整骨院の先生に告げたところ、私のところを受診するように勧められる。

11月29日:初診、腰は軽度の前屈位を保っている。図のような圧痛点あり。60歳代では健常者でも多くの人にヘルニアがみられることを説明し、この痛みは筋筋膜痛であるから治ることを保障する。圧痛点をブロックすると痛みがとれて前屈も少し改善する。投薬なし。

12月27日:2回目の受診、11月29日の受診以来、日に日によくなっていった。仕事も出られるようになった。前よりも体の疲れがなくなった。念のためもう一度受診したとのこと。体はまっすぐ、しびれなし、腰に軽い痛みがあることもあるが、特に治療を必要としない程度とのこと。


コメント

公立病院で検査入院をして、ヘルニアのための痛みであり、90%以上の確率で手術しなければ治らないといわれた人が、こんなにも簡単に治癒してしまうこともあります。このような例はたくさんあることと思われます。

痛みはいずれも筋筋膜痛(myalgia)なのです。それは、交感神経の緊張と関係しています。だから簡単に治ることもあるのです。慢性化、習慣化するとやっかいになります。(慢性痛)

薬は安心すること、活動的であることです。

ヘルニアと筋筋膜痛がどのような関係にあるのかは私には分かりません。しかし、MRIを撮ってヘルニアがあるということがわかってもしかたのないことですね。

加茂整形外科医院