【目的】
手根管症候群(CTS)の治療決定の際に電気生理学的検査よりも自覚症状の重症度で決定されることは多い。我々は、自覚症状を客観的に評価するためにMRIを撮影し電気生理学的検査、疼痛との関係を調べ、重症度におけるMRIの役割を検討してきた。またMRIでは重症例に屈筋腱滑膜の肥厚が高頻度に認められることが明らかになり、我々はCTSの病態の本因が腱滑膜の血管病変にあると考え、疼痛と血管病変との関係に着目し検討を行った。
【対象と方法】
【結果】
【考察】
MRIはCTSの客観的評価法として有用であることが示された。また、腱滑膜内の増殖性動脈変化の存在が明らかになり、その進行にMMP2が関与する可能性が示された。CTS患者の自覚症状が滑膜病変の進行する早期から中期に強いことから、これらの病変がCTSにおける疼痛に深く関与することが示唆された。
(加茂)
手根管症候群は絞扼性神経障害というよりかは、血流に関係する状態、炎症性疼痛と考えたほうがよいと思う。
手根管症候群の治療は不用
MSDの例として、腰痛、坐骨神経痛、手根管症候群、回旋腱板症候群、足根管症候群、外上穎炎および腱炎のような、とても特異的とはいえない各種の状態を引用している。