症例50  抗うつ薬で膝の水がなくなった

8月6日:Aさん(55歳、女性)は旅館で働いています。本日急に腰が痛くなり来院されました。動くのが困難な状態でしたが図の圧痛点に局所麻酔を注射するとすぐに楽になりました。

朝早く目が覚める、人とあうのが億劫、左膝痛もあり。

うつ状態と判断し抗うつ薬ルボックス1錠投与を開始しました。

9月1日よりルボックス2錠にする。

 

7年前、左膝に水がたまるので半月板の手術をしましたが、いまもすっきりしません。正座が困難です。たくさん水が溜まっている状態ではありませんが、軽度に脹れた状態です。

慢性の関節胞粘膜の炎症があるわけですがはたして半月板の異常と関係があるのか疑問。

11月12日:数日前より左図のような痛みを訴えて来院する。膝の痛みは完全になくなる。腫れなし。正座可能。腰痛なし。

圧痛点をブロックするとすぐに楽になりました。

 


コメント

ついでに診察した長年の膝痛が3ヶ月ほどの抗うつ薬でよくなった症例です。胃粘膜がストレスで炎症をおこすことは知られていますが、膝の粘膜も同じことかなと思っています。私は今、軽い鼻炎が1〜2年続いていますが、これもストレスに関係しているのでしょう。

うつ状態と筋骨格系の痛みはとても関係しています。疼痛閾値の低下、交感神経の慢性的緊張状態のためでしょう。

この方のようにいろんなところに痛みがでてくることもよくあることです。

加茂整形外科医院