うつ病の治療が関節炎を緩和する可能性

高齢者のうつ病を強力に治療することによって疼痛が緩和されQOLが向上

Elizabeth Lin, MD, MPH

Group Health Cooperative健康研究センター(ワシントン州シアトル)

『Journal of the American Medical Association』11月12日号に掲載予定



 高齢者における抗うつ療法の改善は、人生観を上向きにするだけではなく、関節炎による疼痛や運動障害も軽減する可能性がある。高齢者にとって、うつ病と関節炎は双方ともごく普通にみられる運動機能障害をもたらす疾患であるが、新しい研究によって、抗うつ療法の改善が、うつ病に有効であるばかりか、関節炎による疼痛や苦痛をも軽減させうることが示された。研究者らによると、高齢者のうつ病に対して適切な治療を行うと、関節炎が生活に及ぼす負の影響が軽減されることが確認されたという。

一方を治療すると他方も改善

研究者によると、高齢者の約6人に1人がうつ病を患っており、65歳を超えるの高齢者のほぼ3分の1は関節炎に苦しんでいるため、関節炎は高齢者における障害の主要因の一つになっているという。

本研究では、米国中のプライマリケア診療所18カ所でうつ病と関節炎両方の治療を受けている60歳を超える成人1,001例を対象に、抗うつ療法の強化が、疼痛や他の日常生活の側面を改善するかどうかについて研究者らにより検討が行われた。

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