もう「大病院」には頼らない

東洋医学であっけないほど「痛み」を癒す    

どうして体と心の苦痛が病院の薬で治らないのか

代田文彦  東京女子医科大学教授  著  講談社


私は西洋医学排斥論者ではないが、西洋医学のいけないところはハイテク医療機器や新薬で病気をやっつけようとするあまり、自分で病気を治そうとする患者さん自身の力をみくびっていることだ。だが、東洋医学ではちょっとした体の不調を糸口に体の乱れた部分を治し、「よりよい体」をつくっていこうとする。治療の主役はあくまでも患者さんである。現在、西洋医学の病院にかかっている人も、「自分で病気を治すのだ」と思えるようになれば、もっと楽に病気と付き合えるようになるはずだ。

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こういう悲惨な話を、私たちは毎日のように患者さんから聞いている。私の研究所にやってくる人たちの多くは、大病院を転々としてきてたどり着いた患者さんだからである。「大病院に頼っていては、病気は治らない」と私が言うのは、このことである。医療というものの「きめ」が荒すぎるのである。なぜこんなことが起こるかというと、たぶん、いつのまにか医師の頭が「はじめに病気ありき」になってしまっているのだと思う。だから、自分の知っている「病気像」にあてはまらない人が来ると、なんにもできないという、変なことになる。だいたい、「科学的根拠」(検査データー)がないと治療ができないというが、病気のすべてが科学的に解明されているわけではない。もし解明されているとしたら、西洋医学はあまりにも思い上がっている。         以上、本文より


(加茂)
  • 「痛み」の画像診断は、明らかな外傷、悪性腫瘍、感染症の除外診断です。それ以外では全くあてになりません
  • 整形外科医の反省すべきは「痛みの診断において、全くあてにならない画像診断に重点を置きすぎる」ことです
  • 「痛み」は複雑系科学の代表です。狭い視野でなく、英知を結集して対応しなければなりません
  • 西洋医学、東洋医学、こだわりなく利用できるものは何でも利用して痛みを取ってやるべきです

加茂整形外科医院