白鳥 / サン=サーンス

 新年(2012年)に誓う意気込みから、今年は家に篭らず積極的にアウトドアーで楽しもうと、元日に続き2度目の雪山歩きに出発した。まさしく白銀の山と明るい空に誘われるかのように、この一日は何とか有意義な日にしたく、山に向って想い馳せるのでした。山男マサさんとは、9:15に待ち合わせする。
 この正月からは、天気予報の雪マークもどこへやら、下界には僅かの雪と雨模様が続き、ほとんど積雪が見られない。しかし、加賀市塔尾から県民の森に向かうとなると、一気に積雪が増す。さらに奥の荒谷町駐車場では、積雪50cmにもなる。幸い、きれいに除雪されているが、他に山へ向かう車は無かった。もちろん、雪道を歩くにはかんじき無しでは登れない。長靴、スキーストック、手袋持参で、10時に出発。明るい曇り空となり、雪道も難なく進むが、暗い杉林の林道では、上からドサッと雪が降りて来たり、溶け水がポタポタ落ちて来る。まったく緩い登りの林道ではあるが、1時間続くと体も濡れて来た。
 ようやく、石楠花コースの登山口に着いた。いよいよ杉林間の急な斜面が続き、ゆっくり登り始めるが、積雪1mほどの雪では、一歩ずつの足取りが重くなる。雪の山道では正確な登山道が判断出来ない状態で、とにかく、新開拓にて上に突き進むしかない。杉林間を過ぎ低木にても、この登山道はしっかり急勾配が続いている。石楠花コース登山口から登って1時間。標高520mの菜畑の標識があり、ようやく周りが開けて来た。遠く山々も見えて来た。あと1時間は、新雪で2mと深くなり、30°の勾配が続いた。頂上から50m手前でようやく緩やかな道になり、いよいよ三等三角点で標高688.99mの蟹ノ目山山頂に到達した。二人で登るから、ほとんど休み無しで、この蟹ノ目山山頂まで3時間の工程でした。
 昔で昭和初期、登山写真家深田久弥が頂上に蟹(かに)の目のように大木が二本在ったことから名付けられたらしい。その後は方言からか?「かに」が「がん」と変化して行ったらしい。
 下山は、石楠花コース登山口まで駆け下りて1時間と、登りの半分の時間でした。まさしく、滑り降りながらで、獣のように猛烈に駆け下りられるから、夏山よりも短時間になるでしょう。
 このかんじき縦走には、天候の悪い状況では、かなりの重装備も必要とされ、予定時間やルート設定に注意が必要となります。もちろん、誰も登った気配も無く新雪を進むには、急斜面になるとストックも使えず、手を使うこともありました。このようなコースであっても、交代でピストン行動することは必須です。悪天候では、もちろん中止すべきです。しかしながら、この日、曇りながらも、小雪に見舞われた程度で、これ以上に崩れない天候であったことは、幸いにも貴重な日となり、正味5時間のかんじき登山は、大成功となりました。

       

水田丸町から写真の一番奥に見える蟹ノ目山(がんのめやま)を望む。
荒谷町駐車場より石楠花登山口まで、わずかに緩い林道を1時間歩く。


かんじき(アルミ製)、かんじき(プラスチック製)、は必須。これ無しでは登れません。

かんじき















最大傾斜35°積雪は2mほどと思われる。2人のピストンラッセルが続く。



蟹ノ目山(がんのめやま)688.99m頂上に到着です。高さ1.5mの標識は雪の中。

頂上より、遠く加賀市柴山潟を望む。


【これにて、一気に下山開始】

石楠花登山口からは緩い〜平坦な林道を1時間掛けて駐車場まで戻る。

林道に並行して川が流れる。小滝が10ヶ所ほど音を立てて流れるから、夏には良い。


       

山中温泉荒谷町より往復5時間(小谷尾根石楠花コース)

がんのめやま

2012-01-09

雪の蟹ノ目山 [688.99b]