北陸新幹線は、東京から大阪までを結ぶ計画であり、太平洋側での東海地震等の発生も予測されることから、北陸地域を経由して関東・関西を結ぶ路線ともなります。

現在は、東京~長野間が開業しています。
平成26年度末までに長野~金沢間が開業の予定で、さらに、金沢開業から11年後(平成37年度末)に金沢ー敦賀間が開業する計画となっています。

この金沢~敦賀間については、ほぼルートが決定され、杭打ち作業が着々と進んでおります。

今年末までには、通過幅12mに渡って区画設計図が完了します。
初陣を切って、小松駅東側の土地の取得が開始され、順次スポット的にも拡大されて行きます。
<工事予想高架橋>




<北陸新幹線の効果>
・大都市圏との鉄道による移動時間が短縮されます。
・東京ー金沢間の所要時間は、3時間50分から2時間30分と1時間20分の短縮となります。
・金沢ー大阪間の所要時間は、2時間30分から2時間00分と30分の短縮となります。
・観光や各種産業の活性化や企業立地、商業機能が期待されます。
・石川県調査によると県内の経済波及効果は年間121億円の増加。
・金沢駅の交流人口が757万人から250万人増の1,000万人になる。



<高架工事の概要>
・営業最高速度:260km/h
・レール幅:1,435mm(在来線1,067mm)
・融雪の対応:積雪1.4m対応の融雪溝設置
・高架橋の高さ:5~10m
・高架橋の幅:11.9m(約12m)
・支柱のスパン:10m間隔
・橋下は金網:1.2m
・既存の道路:現状通り通行可



<小松周辺の概要>
北陸新幹線には、現小松駅と平行に新幹線駅として併設される訳ですが、この小松駅から幸町-大領町-木場潟西遠地沿いに曲がった蛇のような曲線を描き、島町-下粟津町-矢田野町を通過し、加賀温泉駅へ伸延して行きます。




<木場潟西側の自然環境?>
木場潟西側に新幹線の森の造成計画はあるが、工事期間~開業にて神経過敏な野鳥の生態系に変化のあることは避けられない。どのように新幹線の森で自然保護出来るか?とても心配しております。






<島町通過の生活権?>

小松市の南部地区にある島町は住宅地として発展途上にあり、全戸543世帯中、最少8世帯の立ち退きが迫られております。さらに、沿線の住民にとっては、振動・騒音・交通・白山を望む景観阻害にて、生活権を脅かされることは必至です。
現在、島町新幹線対応協議会より、鉄道・運輸機構、石川県、小松市に対し、要望書No.1及びNo.2が提出されております。
新幹線が島町を横断することで 町民の住居移転、市道・町道の分断によるコミュニケーション環境の破壊により、 この組織が崩れてしまう恐れがあります。こうした不安をなくすため新幹線の基幹構造や環境にやさしい構造について当町の意見・希望を要望書として提出しております。






<下粟津さわいけ公園?>
下粟津町では、8軒の住居移転が迫られており、さらに、小松市さわいけ公園の駐車場がすっぽり入り機能しなくなります。工事期間中の安全な代替の駐車場が必要になります。






<現場視察(松任地区)>
島町新幹線対応協議会メンバー15名は、白山市松任地区の高さ8mもの高い高架橋の場所へ現場視察に出掛けました。鉄道・運輸機構の方より、ここが、島町を通過する高架橋と同等の高さ・スパンと聞かされ、思わずクラクラする思いでした。






<新幹線開業の課題>
新幹線の開業にあっては、島町を260km/hで通過するだけであって、当町にとっては何のメリットの無いことは明白です。ただ単に便利になる、観光客が来る、企業立地が進む、と言うだけでこの新幹線というものを考えてはならないと思います。
これからは、いよいよ個々の諸問題に直面して行くことになり、11年後の開通までには、工事期間中の騒音・振動・安全・道路の遮断の問題。宅地移転、分断の端数地、日照権、景観を含めた居住権、固定資産税についても、生活面での負担を強いる地権者・隣接の皆さんには、不利益の無い交渉が続きます。
地域の文化にもつなげ、新幹線に対応するハードなものからソフトなものまで、どんなプロジェクトを行えばよいかを考え、まちづくりについて十分に理解して行く必要があります。


 ドリーマー / フォスター     
2014-02-02
 北陸新幹線