閉塞性動脈硬化症
手足が冷えたり、しびれたリする閉塞性動脈硬化症ってどんな病気ですか?手足の血管の動脈硬化が原因です。人口の高齢化と食生活の欧米化にともない、動脈硬化などの成人病が増えています。「動脈硬化」とは、コレステロールなどの血液中の物質が血管に沈着して、動脈が狭くなったり、閉塞したりする病気です。ここでとりあげる「閉塞性動脈硬化症」も、この動脈硬化が原因で手足の末梢動脈が狭くなっておこる病気です。閉塞性動脈硬化症は、主に足に症状が出ます。
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@手足に冷感やしびれ感がある:動脈硬化で手足の動脈が狭くなると、血液の流れが悪くなり、初期の症状として、時々手足の先が冷たくなったり、しびれたりすることがあります。
A休み休みでないと歩けない:動脈硬化が進行し、足の血液量がさらに減ると、ある距離を歩くと足が痛んで歩けなくなる間歇性跛行という症状があらわれます。酸素を運搬する血液の量が減ると、足の筋肉に十分な酸素が供給できず酸欠状態となって、このような症状があらわれるのです。
B静かにしていても足が痛む:さらに血液の流れが悪くなると、座っている時や横になっている時でも足が痛むようになります。このような症状がでると、薬の投与だけでなく、場合によっては手術などの治療が必要です。
C潰瘍、壊疽:足の先に血液が流れなくなると、酸素が供給できなくなり、皮膚に潰瘍ができます。さらに症状が進むと、皮膚が腐り、ひどい場合には切断ということもあります。
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生活の中で、こんなことに注意しましょう。
@禁煙:タバコを吸うと血管が収縮し、血行が悪くなります。タバコは絶対にやめましょう。
A体を冷やさない:足の血行が悪くならないように、厚手のソックスをはくようにしましょう。夏はクーラーの効かせすぎに注意しましょう。
B足に注意:足の小さな傷、深爪、靴ずれなどから潰瘍や壊疽になることがあるため、十分に注意しましょう。また、足は毎日洗い、清潔に保つようにしましょう。
C毎日歩く:一日中、座ったり寝たりしていると、さらに血行が悪くなってしまいます。血行をよくするために、痛みが出ない程度を目安にして、毎日歩きましょう。
D不規則な生活の改善:動脈硬化は、ストレスやかたよった食生活によって進行が早くなるので、規則正しい生活を心がけましょう。
E定期的に診察を:閉塞性動脈硬化症は、進行すると足の皮膚が腐ってくるような重症になることがあります。定期的に医師の診察を受けましょう。
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右足が健側の左足に比べ病的にやや赤っぽく見えます。拇指に皮膚潰瘍