頸部痛の経過はどうなのか?

What ls the Course of Neck Pain? 


カナダのサスカチュワン州の成人1,100例の地域住民を対象とした二重コホート研究によると、頸部痛の症状の経過は腰痛に酷似している。

頸部症状が発現する人々の多くは、活動障害を生じない程度の弱い痛みを経験する。しかし、完全に症状が消失して、再発しないという人は少ない。そして少数の人々にとっては、頸部痛は活動が大幅に制限される慢性的な活動障害を生じる症状である。

Pierre Cote博士らは、調査開始時には全く症状のなかった被験者のコホートを調査し、頸部痛の年間発生率が男性では13.6%、女性では22.7%であることを見出した。このコホートから、毎年、サスカチュワン州の成人集団の約O.6%が活動障害性の頸部痛を経験していることも明らかになった。

調査開始時に頸部痛のあった人々のうち、36.6%は1年以内に症状が消失し、他の32.7%は改善
したと回答した。しかし、37.3%は異常が持続していると回答し、22.8%は12ヵ月間の研究期間内に
再発したと回答した。

Cote博士らによると“これらの結果は、頸部痛が予後の非常に良好な、良性の疾患であるという一般的な見解に反する。むしろ頸部痛は持続性、再発性、または変動性の疼痛および活動障害によって特徴付けられる慢性疾患である”という。

腰療と同様、頚部痛は再発性疾患であることが多い

参考文献:

Cote P et al., The annual incidence and cource of neck pain in the general population: A population-based cohort study, Pain, 2004; 1 12: 267-73. 

The BackLetter 19(12): 137, 2004. 

加茂整形外科医院