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| 第十八巻 紅葉狩の鬼女の岩屋 |
謡曲「紅葉狩」の紅葉狩りは、野山に出かけて紅葉を楽しむ事、と思っていたが、此処戸隠では鬼女の名前が紅葉で、紅葉を退治するので紅葉狩という意味もあると知って驚いた。妙高で遊んで戸隠に来て、宝光社より県道36号線で鬼無里村に出て、白馬村を通って帰ろうと思ったら、上楠川で右に折れる林道に「紅葉の岩屋」の標識を見つけた。岩屋は二度ばかり訪れているが、こちらからは入ったことが無い。岩屋の近くに新しいトンネルが出来ていたので、多分其処へ出るのだろうと、予定を変更して林道に入る。舗装はしてあるが道は細い。小雨であまり見通しが利かない。段々険しくなり、小さな落石が道にゴロゴロ。前から車が降りてこない事を祈りつつ、段々と高度を上げてゆく。ようやくトンネルに着き、抜けたら見覚えのある所に出てほっとする。 ![]() 此処に少し空き地があり岩屋まで100mの立て札がある。もとは下の柵の里から紅葉の岩屋を通り、この峠の上から霧見岳へ登る登山路があったが、この林道が出来たので直接すぐに岩屋に行けるようになった。あっけなく着くので真につまらない。 切り立った岩の下に大きな穴が二つ空いている。向かって右の穴は大きいが浅く、前庭とも呼ばれ、今は小さい祠と謡曲愛好者の記念の標が多数建っている。左の穴が根城としたところで高さ2m位、奥行き15m。真っ暗で怖くて中には入れない。 ![]() 林道を下ると荒倉山キャンプ場に着く。白樺の林がありバンガローが並んでいる。このキャンプ場を上り詰めて、林道を横切り岩屋まで続く登山路がある。以前登ったことがある。途中に「舞台岩」紅葉一族が酒宴を開き、舞い踊った大きな平たい岩や、「釜壇岩」紅葉一族が毎日の食事酒肴を煮炊きしたという穴の開いた大岩や、「屏風岩」「釜背負岩」「紅葉の化粧水」などがありやがて紅葉の岩屋にたどり着きます。これからここを尋ねる人はこの道を通って下さい。キャンプ場より徒歩30分位です。トンネルの横より入ると風情が無くて詰らないですよ。 ![]() ![]() ![]() ![]() |