輝く夏の日に / スウェーデン行進曲
<山行記>
 もう一つの南アルプス縦走
(悪沢岳-荒川中岳-赤石岳)
 (3,141m-3,083m-3,120m)
早朝4:20北岳登頂に向うも行く手険しく、登山途中の5:10陽光は登って来てしまった。
空の青さは藍色にも近く眩いばかり。登頂時刻は日の出より30分遅れで5:40になった。
頂上から下山開始すると、まもなくライチョウ親子に遭遇する。高山植物のお花畑で美味しそうに花を食べる光景には、登山者として殻は絶対に捨ててはならぬと誓った。
谷間を埋める雪渓は、今年は特に多く2kmにも及ぶ。アイゼンが必要だった。
対面する雲海の富士山(3,776m)の雄大さには感銘を覚える。
途中、ガスの流れに合い感動的なブロッケン現象を体感する。
小仙丈岳
2,855m
仙丈ヶ岳
3,033m
(日本百名山)
大仙丈岳
2,975m
両俣小屋
2,000m
アイノダケ
間ノ岳
3,189m

(日本百名山)
(日本第4の高峰)
北岳山荘
2,900m
北岳
3,193m

(日本百名山)
(富士山に次ぐ日本第2の高峰)

<感動の北岳>
日   程
2012年8月17日(金)〜19日(日)
     午前0時〜〜〜〜午後9時
 同行者 山男マサさんと鉄人仲間達
宿   泊
1日目:両俣小屋
2日目:北岳山荘
山   名
仙丈ヶ岳〜〜間ノ岳〜〜北岳
山   域
南アルプス
入下山
北沢峠〜〜〜〜広河原
歩行時間
10時間+8時間+8時間
歩行距離   34km
標高差 北岳(3193m)広河原(1520m),1673m
 初日は、小松を午前0時に出発し、北陸道(米原JCT)名神(小牧JCT)中央道の伊那IC下車。伊那戸台バス停着5:00にて6:05の始発に乗り込む。

約1時間で北沢峠に到着です。いよいよ、7:05仙丈ヶ岳に向けて登山開始!!

まず、この南アルプスの山々は、高い標高と大きな山容を持ってはいるが、3日間の水場がまったく無いことと、食料、衣類等から、ザックを最小限としても10kgにはなった。北沢峠から仙丈ヶ岳まで4時間は、それほど登山者が多くないのでゆっくりと登る。
この日、不安定な天気で、予報は曇りのち雨だったけど意外と明るい曇り空が続いた。途中からは、尾根を見渡せる所に出た。甲斐駒ヶ岳は異状に立ち上がっており、山肌が白いのも特徴的だ。北岳は、間ノ岳と連なり3千メートル級だけのことからも、確かに全容が重いと感じ取れる。
高山植物は、ミヤマシオガマ、ミヤママンネングサ、トウヤクリンドウ、ツマトリソウ。


11:00頃、仙丈ヶ岳にて昼食を摂る。山では何でも美味しく感じるが、湯沸しカップメンも熱々頬ばると気温の低さのギャップから特に美味しく感じる。
高山植物は、タカネヒゴタイ、イブキジャコウソウ、ミヤマミミナグサ、チシマギキョウ。


大仙丈岳では、カミナリがゴロゴロ鳴り出しと思ったら、雨が急に降り出した。なかなか強い雨に合羽を取り出し大慌て!標高が少しずつ下がって、樹林帯へと入っていく。
高山植物は、チングルマ、クルマユリ、ハクサンフウロ、オンタデ。


樹林帯は、まったく展望が緩やかなるも3時間ほどは、ただひたすら、単純な下りが続く。雨が降り止まない。両俣小屋まで1,000mは下るが足元悪し。カッパ着たままでは、前方の注意が散漫となり、倒木が多く何度も頭をぶつける。今回の最大の修羅場!ピカ、ドスーン!周りがカミナリの明かりの余韻が残る、同時に誰もが怖さで動けない。(帰っての新聞記事では、この日、 槍ケ岳山頂ではカミナリで死亡。他にもカミナリで負傷していた。)
高山植物は、ホタルブクロ、オクトリカブト、トモエシオガマ

二日目、天候の回復で両俣小屋を跡に、また、倒木の多い坂道を尾根まで1時間で駆け上がる。この尾根から間ノ岳頂上目指して4時間は、岩屑帯の難所が現れ、酸素欠乏と相まってスローペースにて呼吸を整える。高山植物も殆ど無くなる。この間ノ岳は奥穂高岳に僅か1m及ばず、我が国第4位の高峰である。
高山植物は、コケモモ、ミヤマアキノキリンソウ


間ノ岳にて1時間の昼食後は、視界不良の雨の中を北岳に向かうが、当初予約の北岳肩の小屋までは、通過予定の北岳の天候不良のこともあり、北岳山荘に変更とした。
北岳山荘は、150人収容も予約不要の山荘だけに布団一枚に2名の詰め込みには夕方までの登山客勝負となる。この日、雨模様が続いたのもこれまた幸いに転じたか、布団一枚に1名の許可が出た。さらに、ストーブもガンガンに焚かれ、カッパの乾きが早かったのには有難かった。さらに、トイレが綺麗です。全面ステンレス貼りの清潔さと換気、排便処理の自動化には驚いてしまいました。
午後3:30には、目の上の北岳も明るい青空に映えて、遠く富士山までを見下ろしているかの偉容です。



最終日、3:30起床にて朝食弁当を持っての北岳御来光に向かった。まだ、外が真っ暗で満点星の中を、ヘッドランプ頼りに登山道を進む。出発が4:20で1時間20分の工程では、明らかに5:10の頂上御来光は諦めざるを得ません。それにしても、快晴に澄み渡り、徐々に陽光が上がるに連れ、周囲の山々が雄大にも夜明けの光が差し込む光景は、全てに力強さが溢れています。この北岳に立ち、対面する富士山に次いで2番目に高い山だから、北アルプス連峰がはるか眼下に見えてしまうのも、錯覚として見ざるを得ません。
高山植物は、オダマキ。




3日間の南アルプス縦走も、まずまずの天候に恵まれ、充実した山行となりました。そして、怪我もなく全員無事に完登です。装備について、水の量はカップラーメンと行動中の飲料としては丁度良かった。ウィダーを3個持参で助かった。パンは日持ちするので余る程に詰め込んだが実際余った。これより、飴やこんにゃくゼリーを持って行けば良かった。やはり、ザックの重量から、もしも寝袋を足すとどうなるか?次回の薬師岳までには、装備を重視して計画の立て直しが必要のようです。
とにかく、今回のアルプス縦走は初日から10時間がキツかったけれども、雨具の装着や酸素不足を克服すれば、体力的な問題も無く、快適な縦走に満足出来ました。
高山植物は、タカネビランジ、タカネナデシコ、イワオトギリ、タカネグンナイフウロ。




 南アルプス縦走
(仙丈ヶ岳-間ノ岳-北岳)
 (3,033m-3,189m-3,193m)

アイ