症例77 高齢者の痛み
Mさん(80歳代)
2〜3日前より、誘因なく腰〜右下肢にかけて痛くなりました。家人に連れられて来院しました。動きはやや困難ですが、自力で寝たり起きたりできる状態です。
図のような圧痛点あり。
圧痛点ブロックをして、症状が軽減したことを確認する。よくなったといって帰られました。
レントゲンでは4/5ですべりがみられます。また正面像では側彎がみられます。椎間板は変性しています。
このような痛みは今までなかった、腰痛も経験ないとのことでした。1W前にレントゲンをとってもこれと同じなわけですがその時は症状なしです。
不安による筋筋膜性疼痛症候群だと思います。
コメント
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症例75で紹介したAさんは先日久しぶりにお見えになり、田植えをすませたとおっしゃっていらっしゃいました。田植えをして腰がはった状態でした。 |
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この写真は元当院の看護師のお母さんのものです。4/5で著明なずれがありますが、年に1〜2回軽い腰痛があるがゲンキに畑仕事をしていらっしゃいました。 |
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症例46 |
大きなすべり症の写真をあつめてみました。特に腰痛で悩んでいる人ではありません。
高齢者はわずかな身体的変調にも「歩けなくなるのではないか」というような強い不安を感じるものです。
不安が痛みを作り、痛みは不安を強くします。また高齢者の7人に一人がうつ状態であるということも聞いたことがあります。
痛みをレントゲンで得られた情報で説明するのではなく、「不安症状」なのか「うつ症状」なのか見極め適切に対応することでよくなるものです。