症例5  自営業の女性の大腿痛

Dさん(67歳、女性)

12月25日、1週間前転んだのだが、昨日より、右大腿の裏が痛い。以前より、夜2回ほど目が覚める。抗不安薬(デパス)を就寝前に飲むようにする。

 

 

2月28日、痛みは左図のようになる。以前、頭痛に悩んだことあり。座薬と抗不安薬を投与。正月休みにそなえる。

 

 

1月9日、右大腿部をスカーフで強く縛り、腰を折り曲げて、苦痛に顔をゆがめている。座薬が切れると痛い。痛みで夜、目が覚める。デパスを1日2錠にする。

 

 

「お客さんが、いろいろ心配してくれて、大きい病院でMRIの検査をしたほうがいいとか、いろいろいうんですが、先生を信頼していますから・・・」「がんばり屋がかかる痛みですよ。必ず治ります。」夏樹静子さんの「椅子がこわい」を貸す。2月中旬まで座薬を使用。以後、抗不安薬のみ投与。5月21日、「疲れた夜、大腿部が痛いことがあります。アリナミンが効くんですがデパスと一緒に飲んでもいいですか」

コメント

夏樹静子さんのケースと同じような症例と思われます。NHKのTVでは「心と体のはざまでー生き方にひそむ原因」という題で紹介されていました。

「右大腿部をスカーフで強く縛り、腰を折り曲げて、苦痛に顔をゆがめている。」・・・特徴的痛み行動。

MRIなどの検査を受けるとかえってやっかいなことになり長引くかもしれないと心配していたが、患者さんは賢明でした。

一年後にお手紙をいただきました。

12月も中半を過ぎてしまいました今日この頃、あれからやがて一年になります。先生にお世話になって・・・・あの時、私はもう立ち直ることが出来ないのか?と思いました。でも今はもう80%、あと20%で元の自分に戻れる・・・・と。ほんとうにあの時の事を思えば今はもう”幸せ”です。本当にありがとうございます。今は自分の年齢も考えて二度と同じ失敗のない様、身体をいたわりながら頑張りたいと思っています。では先生、寒さきびしい折、お身体にお気をつけて下さいませ。ほんとうにありがとうございました。

加茂整形外科医院