症例59 下肢の閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行
Kさん(79歳、男性)は脳梗塞の既往があります。麻痺は残っていません。内科で高血圧症の治療をしています。最近、10分ぐらいの歩行で両下肢が痺れてきて腰も痛くなります。
某医で腰のMRIを撮り、脊柱管狭窄症との診断で手術を受ける予定になりましたが、知人の紹介で一度私が診ることになりました。
図のような圧痛点がありました。これは普通よく診られる筋筋膜痛と思われます。下肢の症状とは関係のないことだと思われます。下肢は図のような範囲で冷たく感じられました。足背動脈は触知できません。
写真のように、指先はチアノーゼ状態です。特に左4、5指は暗紫色。
既往歴からも臨床症状からも「下肢の閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行」で確定してよい。
バイパスを作る手術の必要があるかどうかは今後の治療効果をみて判断します。
コメント
前医は2病院だそうですが、診断名は「脊柱管狭窄症」と同じだったそうです。MRIの所見は臨床症状と関係しないことはよくいわれていることです。
靴下を取ってみた医師はいなかったということです。それで腰の手術を決めるとはあまりにもお粗末と言わざるをえません。