2002.April.17th 出・会・い
「リウマチ制圧10ヶ年対策国際会議」に出かけ |
<自宅>
●娘:「今日は検尿やろ?」といつもより早めに起こす。しつこく火の始末を言って留守番を頼む。ばあちゃんちには行かないで、「一人暮らし」をやってみるという。娘の頼もしくなった姿に出会う。
<小松空港>
●リウマチのTさん:「失礼ですがもしかして、リウマチの・・・」と声をかけると、やっぱりそうだった。福岡へ一人旅をされるようだ。「支部総会で、またね〜!」とTさんは元気な言葉を残して、職員さんに車椅子を押してもらってゲートへ向かった。
●支部長さん:約束の時間より早く登場。「薬を飲む暇無くって。」とペットボトルと色とりどりの薬を出す。ペットの蓋はもちろん自助具で開ける。支部の、頼もしくもひょうきんな親分。そして今回の旅のお供をさせていただき、私は本当に光栄です。
<飛行機内で>
●松波中学校の先生:飛行機の最後部は修学旅行の一団だった。飛び立つ前にトイレをしたいと探していると、一人の先生が察して「そっちですよ。」と教えてくれた。以心伝心、テレパシー。
●私の隣のビジネスマン:コーヒーが出た。私はミルクのみだが、支部長さんは砂糖も入れたい。砂糖はプラスチックの袋に入っていて、リウマチの手では開けられない。こんな時のために、私はいつもアーミーナイフを所持しているのに、空港の手荷物検査で取り上げられてしまっていた。支部長さんは彼に「手が悪いので開けて下さい。」と砂糖を渡した。彼は一瞬意味が分からなかったみたいだけど、黙ったまま開けてくれた。ここで一言会話が出来たら、なお良かったのだけど。
<東京駅>
●旅の女性と通りがかりのビジネスマン:東京に来たからには、東京駅の前で写真を写すのがお上りさんのお作法だ。近くの女性にシャッターを頼み、支部長とポーズをとっていると、通りがかりのサラリーマンが「押してあげましょうか?」と寄ってきた。彼は私たちを同じ旅の仲間だと思ったようだ。とても優しい勘違いだ。
●タクシーの運転手さん@:ほんの10分くらいの乗車の間に、色んな話を聞いた。・石川県へ旅行したことがある・宿泊はアポ無しで、現地の米屋とか八百屋さんに聞いた方がいい・前の奥さんが25年前に無くなって、7年前に中国人の奥さんと結婚したこと・ワンポイント中国語レッスン・若い頃「成田山」で修行してたこと・どうして卒塔婆が高いのかについて・・・と最後はありがたいお説教で締めくくられた。
<帝国ホテル・レストラン>
●俳優の内藤剛さんとボーイさん:まずは腹ごしらえとレストランに入った。雰囲気に圧倒されながらもお行儀よく食べていると、急に支部長さんが顔を寄せてきて、「あの人誰やった?」と目線を向こうへ伸ばした。その先に、テレビでよく見る顔の人がいた。支部長さんの席からは、自然に視界に入るので、支部長さんは彼を見ながら「テレビで見るよりかっこいい〜。」とか言いながら、彼をおかずに食事をしている。でも二人とも名前が出てこない。私は首を回さなければいけない位置で、そんなにジロジロ見ていられない。硬いフランスパンと初めて食べるホロホロチョウを噛みながら、頭の中では「あ」から順番に、名前を探していた。支部長さんが、大阪でバレーの加藤選手に触ってきたという話をしたところで、するりと私の口から名前が出てきた。「内藤剛だ!」これで帰ってからみんなに話が出来ると、デザートは味わって食べられた。ボーイさんが「きれいに召し上がって下さってありがとうございます。」とお皿を下げた。当たり前だよ。こんなすごいホテルに二度と来れないかもしれないのに、残すなんて出来ないよ。ましてや、内藤剛さんを見ながら食事したのだもの。
<帝国ホテル・基調講演会場>
●にこさん:1年ぶりで会う。でもそんな気はしない。もっと頻繁に会ってる気にさせる、人なつっこさ。槙坪監督が来ていらっしゃると教えてもらう。また、開会式の入場券のない監督のために、理事長さんへ直談判に行く、思いやりと勇気を備えたにこさん。
●槙坪夛津子監督:半年ぶりにお会いする。丸いお顔そのままに、雰囲気が丸い。理事長さん・支部長さんをお引き合わせしたところ、来年石川県に来てお話下さるという、素敵な話がトントン拍子でまとまった。え?こんなに簡単に決まっていいのかな。夢みたい。同じデジカメを持ってることで、一層監督に親しみを覚えた。で、みんなで●槙坪夛津子監督のお付きの人(おねえさん)に写真を撮ってもらう。家に帰って気づいた。そうか、あれは監督のカメラで撮っていたのだ。私のカメラじゃなかったのだ。でも私のカメラの中には、監督・にこさんとの3ショットが入っているもの!
●リウマチ友の会理事長:ものすごく忙しそう!会場であちこち頭を下げて、話しかけておられる。早口なのに、人名・地名・舌噛みそうな団体名がすらすらと出てくる。一瞬、この人はリウマチでなかったらどんな仕事をしていたかなと思う。
●隣県の支部長さん:支部の内紛をちらりと聞いていたので、今日ここに出席できて良かった!支部運営ってかなり難しく、気力も体力も仁力も運もいることだと思う。
●つうさん:彼女にも1年ぶり。あとで「サンプラザ中野病」を発病していることが判明。お近くだったら彼女をインストラクターにして、リウマチの人を集めて「パソコン教室」を企画するのにな。「リウマチのリウマチによるリウマチのためのパソコン教室」
<帝国ホテル・ロビー>
●せせらぎさん:初めてお会いする。HPのたくましいイメージを裏切って、以外に小柄な方なのに驚いた。ところがどっこい、やっぱり大物だった。他のみんなが出し惜しみしてHPにUPするのをためらっている出来事を、翌日すでにさらりと書いていた!
●しっぽのある天使のママさん:一番あせくらしい出会いとなってしまった方。顎関節のためのおもしろいブツを見せていただく。デジカメで撮らせてもらったけど、ひどい出来だった。少し修正したが、実物を見たことある人にしかわからない写真である。
●茨城のリウマチ医:「内科医なのですが、内科的になかなか患者さんの痛みを取ることが出来なくて。みなさん痛いときどうしてらっしますか?」と私たち一団へ声をかけられた。みんなで体験を言う。参考になったかな?名刺を交換する。先生頑張って下さい。
<帝国ホテル・開会式>
●江本孟議員(元野球選手):ヒソヒソとさざ波のように情報が伝わってきた。「最前列に江本がいるよ。」って。整髪料で整えた後ろ頭しか見えない。一瞬横顔が見えた。眼鏡と顔の輪郭が見えた。この会議とどういう繋がりなのだろう?
●三毛子さん:入場は4:30までと厳しく言われてたのに、遅れて入ってきた人がいる。若いのにすごい心臓だと思ってると、支部長さんの横の空いた席に座った。にこさんに背中をつつかれて三毛子さんだと知る。通院して渋滞に巻き込まれ遅れたそうだ。でも間に合って良かった。
●島田名誉理事長:舞台に支えられて上る姿を見たときは、痛々しくさえ見た。が、スピ−チの姿はとても堂々としておられた。レセプションで少しお話ができた。私の手を見て「変形が進んじゃったね。変形するのはわたしひとりでたくさんよ。」と言われた。20年前、島田さんのマンションにお邪魔した記憶が甦った。あの頃は確かに今よりきれいな手をしてたけど、心は不安で一杯だった。
●美智子皇后様:私は人に自分の名前を紹介するとき、いつも「美智子様の美智まで一緒で、あと時代の代です。」と説明していた。その方にこんなに間近でお会いできることを、想像したことはなかった。「お言葉」では、言葉一つ一つを大切に噛みしめるように発せられた。決して大きくはないお声だが、静まった会場の隅々まで沁みていくようだった。特に「研究者や医師に対し、患者と共に、深く感謝申し上げます。」のフレーズが心に残った。またこんなに他の人の話を体全体で聞こうとする人を初めて見た。次々とスピ−チが続く間ずっと話者の方へ体ごと耳を向けられていた。続くレセプションでも、少しでもよく聞こうとなさるかのように、だんだん前へ前へと、私たちの方へ近づいてこられた。お言葉を交わし、握手をしていただいた。
<帝国ホテル・レセプション>
●Mr. Johnstone:車椅子から立ち上がり目線が同じくらいになったとき「どちらからお越しですか?」と声をかけた。苦手なQueen's
Englishで返事が返ってきた。隣にいるにこさん、三毛子さんと共にネット上でお互いに情報交換したり励まし合ったりしていると言う。彼はリウマチのインターナショナルの組織で、活発に活動していると言う。ウヒョ、規模が違うやとたじろいでいると、私が手に持っていた紅い飲み物を差して「これは何だ?」と聞かれた。カンパリソーダだと教えると、早速取りに行った。
●Euller-Ziegler MD:会場でひときわ目立つ美しい白髪の人がいた。思い切って声をかけた。ドサクサに紛れて名刺を交換した。にこさん、三毛子さんも巻き込んで。フランスのリウマチ学会会長だった!家に帰って冷静になって、「この名刺をどうするのや?」と自問している。いつかどこかで何か役に立つ時が来るのだろうか?おまけにとても失礼なことを言ってしまった。「フランス人なのにとても英語がお上手ですね。」って。
●SP:皇后様の警護をしている女性達。地味なパンツスーツに、襟に菊の御紋のバッヂを付け、耳にはイヤホン。ただ立っているだけなのに隙がない。どんな訓練を受けてきた人たちなのだろう?
●Akesson Prf.:皇后様が退場されるとき、後ろ姿を見送りながら「Wonderful person・・・」と言って首を隣に向けたら、彼女は「She
is!」と私の言葉を引き継いだ。そしてにっこり笑った。外国の人も、皇后様をそう見ているのだと思うと、とても嬉しくなった。
●名前は分からないけど二人の日本人医師:1人の医師が、果物のお皿を持って食べていた。「先生はもうデザートを食べていらっしゃるんですか?」と声をかけたが・・・無視された。隣にいた医師が「これすご〜くうまいよ。」と緑色のカレーのお皿を出して見せた。にこさんが真似して取ってきたが辛くて食べられないと言うので、半分以上食べてあげた。さっぱりしてイケルよ。にこさんの舌を麻痺させたその先生は、偉い先生らしく、理事長さんが深々とおじぎをしていた。もう一方の医師は、その後も黙々と食べ続けていた。
●真理子さん:初めてお会いするが、来月また秋田で会える。さっきのAkesson
Prf.と感じが似てるなって思ったら、職業を聞いて納得する。「自分から支部の役員を引き受けに、押しかけて行ったの。」と言う。T支部の明るい未来がある!
●沖縄のKさん:おととし支部長会で席が隣で、お知り合いになった。秋田の全国大会へは行けないと言うので、来年は是非石川に来てねとお誘いする。沖縄から介助人も含めて5人で来たという。この帝国ホテルに泊まると聞いて、羨望の眼差しを向けてしまった。
<帝国ホテル→神田サンホテル>
●タクシーの運転手さんA:支部長さんが行き先の地図を渡すと、黙ったままひたすら目的地へ向かって車を走らせた。「後ろから連れが来るのですが」と言ってるけど聞こえてない。黄信号-もちろん通る。赤信号-これも通る。救急車のサイレンが聞こえる交差点-入っていく。支部長さんと私は青ざめた。あとで他の人たちと比べたところ、私たちのタクシー代が一番安かった。彼は良い運転手?連れの3人が乗ったタクシーは、間違えて倍以上の時間と料金がかかり、料金はまけてくれたそうだ。
<喫茶ルノワール>
●店員さん達:ラストオーダーぎりぎりで注文し、閉店の「蛍の光」を聞きながら帰ったけど「またお越し下さい。」って言ってくれたね。マニュアルで言わされてるのでなきゃ嬉しいけど。そういえばルノワールもリウマチだった。
<神田サンホテルから電話で>
●石川のYさんから:
支部長さんの携帯にかかってきた。「この次会ったら握手してあげるね。皇后様と間接握手になるよ。」と言うと、即、断られた。「それまでに手も洗うし、尻も拭くやろう。」と。もー、夢のないこと言うんだから。
●母へ:「コーゴーサマとお言葉交わして握手してきた。」と電話した。「え?誰やそれ?」と聞き返した。そうだよね。皇后様という字は浮かんでこないよね。
●夫へ:母へ言ったのと同じ言葉を言うと
、やっぱり異口同音の答えが帰ってきた。そうだよね。中国にいればなおさら馴染みの薄い言葉になってしまっているのだろう。来週、2ヶ月振りに会ったら、いっぱい感動を伝えよう!