根上町議会一般質問 2000.3.10 11:00
青山利明 質問要旨
不妊治療に町独自の助成制度の創設をせよ
青山利明 質問詳細
最初に、平成12年度予算案の中にさまざまな福祉施策の充実が盛り込まれていることに対して、町長並びに関係当局に敬意をあらわすものであります。
不妊治療の町独自での助成制度についてお尋ねいたします。
この問題は、昨年の9月議会にも質問をさせていただきました。町長は答弁の中で、「6月に厚生省の研究班による発表があったわけでございますが、不妊治療に悩む女性が治療に大変長い期間を要する。平均55カ月かかるとか、病院を3カ所歩かないかんとか、大変多額な費用がかかるということが報告されておるわけでございます。根上町の実態はどうであるのか、実は把握いたしておりませんし、事柄からして把握するということというのはなかなか困難なことかなと現時点では思っているわけでございます。
現在のところ、町独自での不妊治療費の助成制度は考えておらないわけでございますが、現在、国におきましても保険適用の対象についてもいろいろと検討がされておりますので、その動向を見きわめていきたいということで、これからの検討課題ということで考えさせていただきたいと、かように思う次第でございます」、このように昨年の9月議会で町長が答弁で述べられました。
国の平成12年度予算案の中に、不妊治療の相談センターを全国47カ所に設けることが盛り込まれております。石川県でもこれを受けて設置予定と聞いております。不妊治療の保険適用は現在のところまだまだ道は遠く、困難なようであります。
妊娠を望みながら子供ができない不妊に悩む夫婦は、全国で130万組にも上ると言われております。実に10組のうち1組という高い割合となっております。石川県内でも1,000組以上いると推測されております。
町長は、「根上町の実態は事柄からして把握できない」と言われておりましたが、割合からとしても10組以上はいるものと推測されます。少子化の中でこれらの家庭に子供が誕生すれば、根上町にとっても宝となります。また、町長の定住化構想の理念とも一致するはずであります。
子供が欲しいという願いは、夫婦にとっても昔も今も変わりませんが、何らかの理由で子供ができないことがあります。子供ができない期間が2年を超すと不妊症と言われます。その場合、不妊治療などによる妊娠に頼らざるを得ないのですが、治療費も1回に平均で40万円から50万円かかり、費用負担全体で100万円から、高い人は500万以上という例もあるそうであります。高額の費用がかかる上、夫婦にとって過重な経済的、心理的負担を強いられているのが実情であります。
日本では、1983年に体外受精が初めて実施されて以降、これまでに2万7,000人以上の子供が不妊治療によって生まれております。もはや治療技術として確立され、定着しております。しかし、国の取り組み、公的支援は余りにも不十分であります。少子社会への対応において、現に子供を持つ家庭への支援はかなり充実してきている一方で、子供が欲しくてもできない家庭への支援は、個人の努力に委ねられているというのは、どう考えても不公平であります。
こうした中で川北町では、全国に先駆けて不妊治療を受けている町内の夫婦を対象に年間治療費上限100万円の7割を第1子が生まれるまで助成することが、先日の新聞に報道されておりました。特に個人の守秘義務を徹底するよう、申請の仕組みを検討しているともありました。
根上町でも不妊で悩んでいる夫婦の例はあります。町長にはこれらの人たちの痛みをわかってあげてほしいと思います。
ここで、根上町に住むある婦人からの手紙の一部を、ご紹介をさせていただきたいと思います。
「前略 私は不妊治療のため5年前から通院しています。昨年、体外受精を2度行いましたが、保険がきかないため50万円の多額な医療費を支払いました。病院の先生は、約二、三回でできる人も多いと言われましたが、多額の費用を一度に出費するのは大変苦しいのが現状です。年齢も30歳になり、一日も早く子供を授かりたいと思っております。不妊治療はなぜ保険がきかないのでしょうか。子供が欲しくてもできない人がたくさんいます。保険がきくようになってほしいと心から思います」とありました。
私は心が痛む思いでこの手紙を読まさせていただきました。ぜひ町長には、これらの人の夢をかなえさせてあげてください。また町
長には、町民の悩みを解決し、町民の幸せを築く責務があります。
フランスなど欧州諸国では、治療費が社会保険によって賄われております。我が国でも保険の適用が一日も早く望まれますが、年齢の壁もあります。それまで町長におかれましては、町独自での不妊治療の助成制度の創設を強く望むものであります。
町長 大窪昭二 答弁要旨
いましばらく検討させていただきたいと思います。
町長 大窪昭二 答弁詳細
青山議員にお答えいたします。 まず第1点は、不妊治療の助成についてでございます。 前の議会、昨年の議会でも同じ質問でご答弁したわけでございますが、根上町の実態というのは本当に定かではないわけでございますが、前回も申し上げましたとおり、国では夫婦10組に1組は不妊でないかと、こういう想定がされておるわけでございます。ご指摘のように、不妊に悩む方は少なくないわけでございます。その治療費が大変多額であること、期間も5年ぐらいかかること等があるわけでございまして、大変お悩みの方がいらっしゃるということだと思います。
不妊ということにつきましては、夫婦の心理的なことに追い込んではならないということもありましょうし、また個人のプライバシーという問題もあります。これらは技術的には解決できることかもしれません。
ところで、基本的にはやはり社会問題といいますか、大きな課題でありますので、やはり私は国の対策を早く定めてほしい。保険の対象であるとか、その他のこともあるんだろうと思いますけれども、進めてほしいというのが願いでございます。
つい昨年の12月16日、まだ余り日もたっておりませんけれども、政府・与党3党によって少子化対策検討会が開かれました。そこで総合的少子化対策推進に関する提言が行われたわけでございます。それは不妊治療への支援について、不妊に関する相談体制の整備であるとか、不妊治療に関する安全面とか、倫理面のことであるとか、またご指摘の医療保険に関することであるとか、そういうことに配慮しつつ、適切な支援をしていくべきだという結論が与党3党で昨年の12月16日に出されておるわけでございます。そして、これに必要な法案も準備をされておるわけでございます。かなり前回とは前向きになった姿勢で国も検討が進められとるというふうに受けとめておるわけでございます。したがいまして、そういう中でやはりこれらの推移、動向を見きわめさせていただきたいなと、こんなふうに思っております。
県でも今年度、12年度から不妊専門相談センターを設置することに決定をいたしておるということで、かなりこの課題については国も県も前向きに制度上に取り組んでくる状況になってきているということであり、大変うれしいことであるわけでございます。
町の単独助成ということですが、こういう進みもありますので、いましばらく検討させていただきたいと思います。
青山利明 質問要旨
児童の医療費を中学校卒業まで無料とせよ
3人目以降の保育料の無料化を一日も早く実現せよ
青山利明質問詳細
次に、子育て支援の中で児童の医療費の助成制度、保育料の軽減についてお尋ねいたします。
企画調整課からいただいた資料の中に、日本列島の人口の長期的推移によりますと、西暦1000年の源平騒乱の時代から1,600年にかけて日本列島の人口は約1,000万人台を推移し、1600年ごろから徐々に人口が伸びて、1900年ごろまでに4,000万人ぐらいになりました。1900年代、すなわちこの20世紀に入って人口が爆発的に伸び、平成7年10月現在で1億2,557万人であり、平均寿命の伸びなどによって平成23年に1億2,956万人でピークを迎え、その後減少に転じ、平成62年、すなわち西暦2050年には9,231万人に減少するとありました。さらに100年後から150年後には、日本の人口は現在の半分以下、5,000万人までに減少するとも言われております。
このような事態を放置していけば、大変なことになります。高齢化の急速な進展と相まって働く世代の負担が増大し、社会経済の活力が失われていくなど、その影響ははかり知れないものがあります。20年後の手を今、打っておく必要があります。しかも、私たちの予測よりもはるかに早く深刻な事態へと推移しております。この際思い切った手を打つ必要があります。発想の転換をすべきであります。 私は日ごろ申し上げておりましたように、
少子対策は高齢者対策であります。
子供は国の宝、根上町の宝であります。生まれてくる子供の教育費、医療費、養育費はすべて国、県、町で負担するという発想が必要であります。その子供への投資であり、その子供たちが働くようになったとき税金として納めていただき、社会全体を支えていただくことになります。
このような考え方に基づき、児童の医療費の中学校卒業までの無料化、3人目以降の保育料の無料化を一日も早く実現していただきたいと思います。
人は死んで名を残すと言われますが、20年後、50年後、100年後の世代の人々から感謝されるような思い切った施策を今、町長に求めるものであります。
町長 大窪昭二 答弁要旨
4月よりの拡充をしたところであるが、子育て支援は大変大事なことなので今後の課題とさせていただきたい
町長 大窪昭二 答弁詳細
子育て支援について。 1点は、児童の医療費を中学校卒業時まで無料にせよという趣旨でございます。乳幼児医療費の給付につきましては、ことしの今、予算でお願いいたしておりますけれども、4月から入院につきましては小学生まで延長し、通院につきましては就学前まで支給対象に拡大をいたしたところでございます。
また、2点目の保育料につきましても、今は3人目以降の無料化についてですが、この点につきましても子育て支援対策の関係から、子供が同時入園の場合には2人目は半額、3人目は無料ということにいたしておるわけでございます。
また、第3子については保育料を3,000円減免するということで負担の軽減を図ってきておるということでございますけれども、これも本年4月から保育料すべてを5%引き下げることといたしたところであります。
子育て支援につきましては、大変大事なことであるわけでございます。本年は、今説明しましたように医療費の支給の年齢拡大、保育料の5%引き下げと、両制度とも思い切って拡大し、負担の軽減を図ったところであり、このための財政支出というものは大変多額に上っておるわけでございます。これを直ちに、さらにご質問のように拡大するということには慎重にならざるを得ないというのが気持ちであります。
でも、申し上げましたように、子育て、大変大事なことでございますので、やはり財政状況もございますし、その他の施策との関連もございますので、今後の課題とさせていただきたいと、かように思うわけでございます。
子育て支援は、こういった負担軽減だけじゃありませんので、町政の課題の大きな柱の一つでありまして、乳幼児時期における健康診断であるとか、発育に応じた健康相談であるとか、また保育園に入る年齢層の子供に対しましては、一時保育とか、また産休明け保育、いわゆる産後2カ月から保育するということなど、子育て相談などの特別保育も充実しておるわけですし、今年から学童保育も全児童館で実施すると。独立児童館で実施するというふうに拡大して、子供の健康、子育て支援の充実に努めてまいっておるわけでございますので、どうぞその辺をご理解を賜りたいと、かように思う次第でございます。
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