燕翔飯店の「?」 このホテルをチェックアウトするにあたり、気付いたことを少し。
トイレがバス・洗面所とは別室にあった!それはそれでいいのだが、
トイレの部屋には手を洗うシンクが全くない!結局、用を足すとき洗面所とトイレのドアを開けておいて、汚れた手でノブをつかまずに手を洗えるようにしなければ

ならなかった。普通はトイレのタンクの上で手洗いができるものじゃない?
右はホテルの1階にあった障害者トイレ。これを見つけてた時は感激した。中は車椅子が回転できるゆったりスペースだ。が、
ドアがでかくて手前に開くには、車椅子は2メートル手前で待機しなけりゃならない!付添人を前提にしたものだ。そういえば
中国には引き戸は無いのかい?
悪口を書いたので、ちょっと誉めとこう。一階にビジネス用のブースがあってFAX、コピー機、電話が並んでいて、係りの人も親切だった。パスポートをコピーさせてもらった。南通市への提出用と、普段はコピーを持ち歩いて、本

体は保管しといた方がいいと夫に言われたからだ。それからテナントにSUBWAYがあった。漢字は音から来てるようだ。朝7時から夜12時までやっていたので食べ較べをしてみたかったが、朝昼晩と3食しっかり「中国」を食べていたので、胃袋に余裕がなかった。
お買い物 薬の「同仁堂」、買うよりも見たかったところ!普段漢方薬を飲んでる私としては、メッカ巡礼をするようなものだ。1階を軽く一回りして2階へ行くと、桁が違う値段の人参が、立派なケースに入れて並べてあった。「300,000」とある。最初30万円かと思って見たが、そうじゃない。ここは中国だから元!
500万円もする人参だ!夫は即座に言った。「こんな人参買うくらいなら車の方がいい。」誰も買うとは言ってないでしょ?買う代わりにカメラで撮っていたら「
写真を撮ってはいけない!」と警備員から厳しく注意された。すごすごとお手頃品の人参のコーナーへ行った。スライスした小袋のがあったので買うことにした。商品を示して店員に値段を書いた紙をもらい、それをレジに持って行ってお金を払い、レシートをもらってもどり店員から商品を受け取るという七面倒くさいお買い物をしなければならない。夫は
これが「中国式や!」と平気だったが、私はそうじゃなかった。夫がお金を払いに行ってる間に店員は、注文した品を紙袋に入れて左手に持ち、ヒラヒラさせて待っていた。そしてその
彼女はもう一方の手を鼻に突っ込んでほじくっていた!悪びれもせず!ここには中国医学の病院があって、たくさんの患者が待っていた。処方箋をもらい、1階で薬をもらう。

昨夜陳さんにリクエストしておいた藍染めの店
「天禧源」に入る。藍染めは南通の方が本場だが、夫は「地元で藍染めのチャイナ服なんて見たことがない。」と言うので、絶対買いたい。店員が色々選んだり説明してくれるのだが、早口でちっとも分からない。ゆっくりしゃべってくれても分からないけど・・・。
ここは値切っても、1元もまけてくれなかった!中国にも値切れない店があるんだ!
商店街の一角にあったケンタッキーへトイレを借りに行った。ノブ下の表示が中途半端を示してドアが閉まっていたのでノックするが返事がない。「人がいるの?」と側で掃除をしていたオバサンに聞くとうなずいて何か言った。待っていると私の後ろにもう一人来た。洗面所のペーパーを引き出して折り畳んでいたが、待ちきれないという顔して私を押しのけてドアを引っぱった。「中に居るんですよ。」と言ったが、私の中国語が変なのか彼女は知らん顔。ようやくドアが開いた

とき、私は順番を越されてたまるか!と体を斜めにしてドアに沿って入った。
彼女のいきなりドアを引っぱる態度に驚いたが、これが中国式らしい!この後、南通の飛行場や上海のデパートなど、鍵の壊れたトイレに入っていて、ノック無しで何度もドアを開けられた!(別に見せても減るもんじゃないが、私のようなオバサンだって羞恥心は残ってる!羞恥心の尺度がちがうらしい。)用を済ませて上を見上げたら、右のような看板が下がっていた。「障害者専用トイレ」だった。写真に撮ってるとさっきの掃除のオバサンが、不思議そうに私をまじまじ見ていた。
陳さんは日本のことをよく知っているので、決しておかしなトイレには連れて行かなかった。だから、私の中では北京のトイレの印象はきれいだ。ただ汚物入れに蓋が無く、真っ赤な月経血の付いたナプキンが大っぴらに捨ててあるのが、最初は気になったが、見慣れてくるとそんなことくらいどうでもよくなる。夫は夜行列車に乗ったとき、男女兼用のトイレに入って、日の丸ナプキンがべっとり張り付いてる便器にお目にかかり、吐き気がしたそうだ。
やっぱり畳んで紙に包んで捨てよう!中国女性達よ!
王府井 向かう途中、天安門広場の近くで
動かない車の列にはまってしまった!左側の対向車線からは車が排除され、20メートルくらいおきに2人ずつ、昨日見たモスグリーンの衛兵が立った。右側5車線の一番左端に私達の車はいた。すぐ横に公安の車が止まり、公安員が降りてきて鋭い視線をこちらの車線に向けていた。待ちきれない男の人が車から降りて、背伸びして様子を見ようとしたところ、公安員がダッと駆け寄って、大声を上げ車の中へ引き戻させた。物々しい警戒態勢に「どうしたの?」と陳さんに聞いたが、「誰か来たんでしょう。」と平気な顔だ。やがて天安門の方から、△の隊形で3台の公安の車が猛スピードで走ってきた。その後に2列に並んだセダン数台とワゴン車数台、そしてまた公安の車が猛スピードで続いた。夫が慌ててシャッターを切ったが追いつけなかった。後で知ったが、この日、北京で日本と北朝鮮の会談があったらしい。
宋さんは、王府井の裏通りに車を停めた。すると
駐車場を管理するオバサンが鋭い声で何か言いに来た。私達には彼女が怒っているようにしか聞こえない。宋さんは先に降りてるように言い、車を移動させた。その間に私達はデパートに入った。吉野屋の牛丼屋さんがテナントとして入っていた。結構繁盛してる!中国式のややこしい買い物を済ませたあと、昼食は簡単に早く食べられる物ということで、中国式ビュフェみたいな食堂に入った。おかずをアレコレと指差すと、一皿に盛り合わせてよそってくれ、レンジでチン!してくれた。半分くらい食べたところで、横で騒がしい物音がした。見ると
一人の女性従業員が「やってられますか!」といった調子でうわっぱりを脱いで、カウンターに叩きつけた!そして別の女性従業員に向かって行こうとするのを、後ろから男性従業員がはがい締めにして止めた。しばらく女同士の言い合いは続いた。はがい締めにされた女性従業員は帰った。ヤレヤレと思っていると、今度は向こうのテ−ブルに若い女性従業員、10人くらいが電機ジャーと金属の食器を持って入って来た。15,6歳くらいだろう。ジャーからご飯をよそい、その上に大皿から取ったおかずを乗せて食べ始めた。黄色い声と笑い声がひびいてさわがしい。・・・なんか食べた気がしなかった。
店を出るともっとスゴイケンカをやってた。
中年の女性がタクシーの運転手(男)に向かって大声を張り上げていた!両足を開いて片手を前に突き出しながら、女性の大声は続く。反対側の歩道でやってるケンカなのに、対向6車線の道路を隔ててもビンビン響いて来る。女性が息を継いだ隙に運転手が何か一言挟んだようだが、その後勢いを増した女性の声が続き、人だかりが増えていくまでを見た。その後の決着は残念ながら知らない。多分女が勝ってるだろう。
夫は言った。
「今までお前のことを随分気のキツイ女やと思うとった。絶対謝らないし。ほんでも中国来たらもっとキツイのがいっぱいおった。お前なんかまだ可愛らしい方や。」この言葉聞けただけで、夫が中国赴任した甲斐がある!
北京首都空港 中国人の休みが始まり、空港は混んでいた。早めに来て良かった。手荷物検査の列についたところで、宋さん、陳さんと分かれた。ありがとう、お陰で楽しい北京の旅だった!ほとんど動かない列の間に、後ろから無理やり割り込んできた4,5人のグループがいた。先頭の女性が係員に何か言った。周囲からドッと笑い声がした。状況がよく分からない。今まで分からないことがあると陳さんに「何?」っと聞いていたが、さあ、これからが、夫と二人の本当の旅だ!
空港ロビーでカウンターに座った女性に「トイレはどこですか?」と聞いた。
彼女は読んでる書類から目を離さず、ついてた肘もそのままで、手先だけ後ろに向けて「あっち。」と中国語で言った。私はその後何回もこんなやりとりに出くわす。
空港の売店をのぞきながら進んでいると、果物屋の前で夫が「こいつスゴイうまいんやぞ。」とパックに入った毛むくじゃらの果物を指差した。「ああ、それならもっと大粒のヤツを入り口に近い売店で売ってたよ。バラ売りで。」と私が言うと、「何でもっと早くそれを言わんのや!食わしてやろうと思ったのに!」と言いながら夫は引き返した。「だって、そっちこそおいしいと言わんかったやん!」と負けずに言い返した。せっかく動く歩道で来た道を、言い合いしながら、人の流れに逆らって歩き、マンゴスチンを買いに戻った。
搭乗口のロビーで待ってると、ゲート変更のアナウンスが中国語と英語であった。耳だけでは心許ないので、案内板の文字でしっかり確かめる。小さな女の子の日本語が聞こえた。久しぶりに日本の子供の声を聞き、懐かしくなってしばらくその子を見つめていた。
南通空港 突風が来たら吹き飛ばされそうな小さな飛行機だったが、無事南通空港に着いた。
中国人達は中国語の機内アナウンスが終わるとすぐしゃべり出すので、次に続く英語のアナウンスが聞こえない!でも無事着いたからいいや。南通空港は、小松空港よりうんと小さい。空港というより田舎の駅といった感じだ。荷物を載せるベルトコンベアーも小さい。そして
回って出てきた荷物は、スーツケースよりひもで縛った段ボールが多い!空港前の駐車場は、小松の田んぼ1枚分くらいで無料。すごい田舎に来てしまったな、というのが第一印象だ。夕暮れの中、迎えに来ていた会社の車で夫の寮「南風楼」へ向かった。
南風楼 守衛が出てきて門を開けた。昼は1人、夜は2人、24時間いるという。少し安心する。夫婦で滞在できる部屋の鍵をもらって、荷物を運び入れた。夫は隣接する棟の自室から、3泊分の日用品や食料を運んできた。夫が自室に行ってるときに、私一人で鍵を開けて部屋に入ろうとしたが、
鍵が硬くてリウマチの手では回せない!さぁてどうしよう?夫を呼びに行くか?・・・どこに部屋があるか分からない。守衛を呼んでくるか?・・・こんな鍵も回せない事情を何て説明しよう?・・・何か自助具になる物はないか?と持ち物を見た。
バッグのベルトの長さを調節する四角い金具があった!金具に鍵を通し金具ごと回すと、鍵は回った!
夕食は日本料理の「稲川」へ出かけた。入るとすぐに夫は「ありゃ!」と言った。社長さんが一人で食事をしていた。夫は中国語の社長(総経理)をなぜか日本語読みに「そうけいり!」と言いながら、私を紹介し挨拶した。(後で分かったが、日本人スタッフはみんな日本語読みをしていた。方言みたい。)隣のボックスに少し緊張して座ったが、社長さんはすぐに食事が終わって、「じゃぁ!」と言って帰った。
海苔巻き、照り焼き、焼き揚げ、下足の天ぷら、枝豆にアサヒビール。みんなおいしい。夫は前に、大坂から出張してきた人にここで食事を出したら、「日本よりうまいわ」と言って喜んでいたという。従業員は中学生くらいの中国人の男の子と女の子達である。男の子が調理場で働き、女の子が胸に日本名を書いたプレートを付けてお運びをしていた。日本人相手の店なので、日本式の礼儀を知ってる。「いらっしゃいませ。」と日本語で言いながら頭を下げたり、器も丁寧に並べていく。夫婦での写真を撮ってもらおうとシャッターを頼むと、写した後に、デジカメが珍しくて、自分たちも撮ってくれと言う。いつの間にか店じゅうの子が集まってきて、私達と写真におさまり、写ったディスプレイをのぞき合ってキャーキャー言ってた。その顔はまだ幼い。翌日、店の前を通るとそのうちの一人が笑顔で「こんにちは!」と言った。
部屋に戻ると、夫は洗濯を始めた。わけの分からない中国語の表示の乾燥機付き洗濯機だが、夫は使い慣れてる。ここにいる間、洗濯は全て夫に任せた。久しぶりにパソコンに触った。子供達へメイルを送った。久しぶりに日本語のTV(BS)を見た。
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