機関海技士を同乗すべき1級小型船舶操縦士

1級小型船舶操縦士が航行する時に機関海技士を同乗すべき条件とはどのような場合か。

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1級小型船舶操縦士の制限

1級小型船舶操縦士免許証の区分上、航行区域は無制限といわれていますが、一定の距離を超える場合に同乗義務が付きます。

一定の距離とは、沿海区域から80海里まで又は、海岸より100海里のどちらか一つでも超える場合で、6級以上の機関海技士を資格を持つ者を原則、同乗しなければなりません。

船長と機関士を兼任できるのか

1級小型船舶操縦士である船長が同時に6級機関海技士を保有している場合は、一人で兼任し同乗をさせなくてもよいのでしょうか。

船舶職員及び小型船舶操縦者法によれば、沿海区域から80海里まで又は、海岸から100海里のどちらか超える時には、航行の安全を確保するために小型船舶操縦者の他、海技免状を受有する海技士を乗船しなければならないと定めています。

よって、上記の場合は、たとえ船長が二つの資格を持っていたとしても、他に海技士を同乗しなければならないので、兼任はできないことになります。

どうして機関海技士が必要なのか

どうして機関海技士を同乗させる必要があるかは、小型船舶の性能・構造上の限界を超える長距離航行をすればするほどエンジン負荷が大きくかかり、操縦をメインとする船長がエンジン部分に予測のできないトラブルの把握に行き届かないためです。

機関海技士は、大型船舶にエンジン等の機関部分を専らに担うため職員として乗り込むスペシャリストなので船長は操縦に専念ができます。

帆船であるヨットは例外

例外として、帆船であるヨットについては上記のケースでも機関海技士を同乗させる必要はありません。

ヨットは、万が一エンジントラブルがあった時でも帆がある分、風の力を受けて多少の推進力が生まれるから同乗が免除だと思われます。

機関海技士を同乗の義務がない帆船でも100海里等を超える大海原では海難の確立が高くなるので、船長の判断で機関士を任意的に同乗することも可能です。

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